FASCINATE_KYOTO(京都 河原町)の小林です。
本日は、23-24AWコレクションより新たに展開を開始いたします英国ブランドOmar Afridi - オマールアフリディの概要と23-24AWコレクションのコレクションレポートを書かせていただきます!
この秋冬シーズンよりFASCINATE_KYOTO(京都 河原町)で取り扱う新規ブランドとして東京へのバイイング出張でも最も楽しみにしていたブランドであるOmar Afridi - オマールアフリディ。
ちょうどこの秋冬シーズンにはロンドンコレクションにてランウェイ形式でショーを発表。
イギリスロンドンを拠点としながらも二人の日本人が手がける気鋭ブランドであり、今国内外で間違いなく注目されるブランドの一つです。
ブランドプロフィール
Omar Afridi - オマールアフリディ(オマールアフリディ)は前身となるブランド「LEON BARA(レオン バラ)」からリブランディングし、創業者のOmar Afridi - オマールアフリディ(オマールアフリディ)の名を冠して2019-20AW(秋冬)に再始動した、市森天颯と菊田潤の2人の日本人によるユニセックスブランド。
ロンドンを拠点とし「Human striving and Achievement」というブランドコンセプトから構築した「Primitive Mode(Primitive=原始的な、Mode=流行の)」という一見対立する概念を提案。
角度の違う興味や視点が、ぶつかり合いながら反応を起こし、根底にある共嗚する価値観をベースにシーズン毎のコンセプトに沿ってモノづくりをしています。
クリエーションを通してクラフトマンシップとマテリアルの関係性を追求しており、シャツ、ジャケット、デニムといった定番のアイテムにエレガントさ、そして少しの遊び心を加え、人と衣服が共存する要素を大切に考えて構築されるデザインをヨーロッパと日本で厳選された上質でユニークなファブリックに落とし込んで制作されています。
デザイナー : 市森天颯 氏 / 菊田潤 氏
生産国 : ロンドン
23-24AWコレクション シーズンコンセプト
- PRIMITIVE TECH (プリミティブテック) -
森の中でテクノを聞く。自然の中に機材が置かれ四つ打ちのテクノ音楽の中でエッジの効いた服を纏う人たちが踊ってる。
音楽のジャンルによって服装というものは変わるから面白い。
70sから始まりいろんなジャンルができたからこそまたそれぞれのスタイルがあるのだろう。
同じテクノとはいえ、スピード、ノイズ、音の種類が変わるだけでそこに存在する人間が変わる。
ミニマルテクノを聞きながら踊っていた時に、一番後ろでコットン地のゆったりとしたワンピースのような服を着たオーガニック万歳の女性が音楽とセックスしているかのように激しく踊っていた。
他の人たちとは明らかに違う格好で、山奥にテクノを聞きにくるような服装ではないそのギャップが踊っていた自分にはかっこよく見えた。
ギャップがあるにもかかわらず、その時空間が一体化しているように感じた。
それはおそらく空間を構成するバランスなのかもしれない。
話は変わるが、建築家のコルビジェは石や煉瓦を積み上げてつくる建物が主流の時代に、ドミノシステムと呼ばれる鉄筋コンクリートという新しい素材を得て革命的建築物を生み出した。
その建築はとてもミニマルなファサードで、ブルータルな物質が際立つが、建物の中に入った途端にコンクリートの背景に映える色や形の美を明確に強調した色使いが施されている。
ここでもまた内側と外側にギャップが生まれているのだが、機能性を追求するモダニズムらしからぬ音楽的かつ芸術的な、静けさの中でのテクノダンスである。
AUTUMN WINTER 2023のファサードとして、3つのポケットがレイヤーされたクラシカルなヘリンボーン生地のコートやドライな柔らかいドビーツイードで作られたコクーンコートなど土着色なブラウンとノームコアでミニマルなグレーを基調に、太番手の縦横糸で甘く織られたデッドストック生地やハンドドローングされたチェック柄のスカーフにビビットな原色のライトウェイトパーカが差し込まれる。
他にもフリース生地やラムレザーのシャツ、縮絨ウールのチェック柄にLoroPiana社生地のテックパーカなどさまざまなテクスチャーがミックスされ、カラーパレットはコルビジェの内装から連想される。粘度で作ったようなオーガニックシェイプのアクセサリーはアルミニウムでできており、韓国のアーティストLEE SISANとのコラボレーションで制作した。
東京展示会場
日本での展示会は、代理店を務めるON TOKYO Showroomさんにて開催。
私自身初めての展示会場ですが、コンクリート床に白を基調とした無機質な空間にウッド調の柱がアクセント、日中であれば大きな窓から自然光の入る洗練された空間。
展示会場にズラリと並ぶ作品は、PRIMITIVE TECHと名付けられた今期のテーマ通りモノトーンを主軸とした都会的でクラシカルなマテリアル、それとは相反した目が覚めるような青や黄色のナイロン素材が目を惹くラインナップ。
Omar Afridi デザイナー市森氏との対面
展示会場に到着するとデザイナーの一人である市森氏が気さくな雰囲気で出迎えてくださり、席に着くと最初は私の勤務地である京都についての話題で盛り上がった。
学生時代は東京で過ごしていた市森氏だが、当時は京都で飲み歩くのが楽しみの一つだったとか。
限りあるお金をできるだけ飲み代に費やすために、京都までは新幹線ではなく高速バスを利用していたというエピソードが印象的でした。
日本人でありながら、わざわざ遠く離れたロンドンという土地でデザイナーとして活動する方ともなれば、一体どんな気難しい方が現れるのだろうと思っていましたが、年齢も近いこともあり意外にも親しみやすい雰囲気を持っておられる方でした。
当時行きつけであった飲み屋さんをいくつか紹介してくださり、中でもお話が印象的であったカズバーというお店には私も実際に足を運んでみました。
廃墟のような退廃的な空間に照明は一切なく、キャンドルの灯のみで営業している隠れ家的なBAR。
木屋町の細い路地裏にあるビルの3階、口コミでなければ一体誰が見つけられるんだろうという立地でありながら看板すらもないアングラなBARですが、店内は主に外国人のお客さんなどで賑わっていました。
FASCINATE_KYOTOに来店いただいた帰り、一杯飲んで帰りたいという方はご紹介させていただきますので、是非訪れてみてください。
英国仕立ての硬派なマテリアルとラフなナイロン素材で作り出すニュースタンダード
さて、ここからは本題に戻り展示会レビューをさせていただきます。
ロンドンを拠点とする彼らのコレクションは、イギリスらしいツイードやヘリンボーンなどの硬派な素材使いが軸とはなっていますが、着こなしや素材使いはあくまでも日本人らしく自由。
ウエストのシェイプが強いショートレングスのアウターとスカートを合わせて作り出した、極端なXラインシルエットや、ナイロン素材のジップアップフーディをタックインしたジャンプスーツの着こなしなど。
その自由な発想は、プリミティブテックという今期のテーマが表す相反した素材の掛け合わせだけではなく、そのウェアが持つシルエットを活かした個性的なスタイリングからも垣間見えます。
ローテクでクラシカルなウェアに、アウトドアウェアのようなハイテク機能を持ったアウターウェア等をミックスしたスタイルも少し前にトレンドを迎えた時期もありましたが、それとは全く違う異質さを感じさせられるパワーのあるコレクションでした。
Omar Afiridi 23-24AWコレクションの見所とバイヤーのオススメアイテム
もちろん同ブランドのカラーをしっかりと伝えたい!という所ではありますが、今回は同ブランド自体新規の取扱ということもあり、当店では最初に一着だけを購入しても単体で機能する物を意図的にセレクトしています。
展示会場でラックに掛かるアイテムを見て最初に私の目に飛び込んだのは、ウールヘンプのヘリンボーンシリーズ。
英国らしい硬派なルックスのヘリンボーン素材は、上品ながらもヘンプ素材の繊維感が強い荒々しさも持ち合わせており、ドリズラージャケットやカーゴパンツといった着崩しやすさにも特化したアイテムがほとんどですが、一つ一つのディテールから気品を感じました。
話を聞いてみたところ、その理由は英国の複数の某老舗ブランドを手がけていた縫製工場出身の職人を抱えているアトリエに秘密があるとの事。
その工場は特にアウターウェアをメインに縫製していたため、そもそもヘリンボーンやギャバジンといった素材の縫製が得意な職人を抱えているそうです。
形にハマらないレイヤードコーディネーションや異素材のコンビネーションを得意とする自由な発想が魅力的なブランドでありながら、アイテム一つ一つには伝統的な技術が宿るからこそ軸がブレず骨のあるウェアを作ることができる。
今回の展示会でそれがOmar Afridiのもう一つの魅力だと気付かされました。
バイヤーのおすすめアイテム① [ウールヘンプのヘリンボーンシリーズ]
今期当店ではヘリンボーン素材のドリズラージャケットや、同ブランドでは定番展開されているフルレングスワイドパンツ サヴォアトラウザーを主軸に、味付けしたラインナップとなっています。
ドリズラージャケットは裾のリブを強めに設定することでブラウジングする事が可能なデザイン。
美しい丸みのあるシルエットは、生地の大人っぽさとボマージャケットのような丸みのあるシルエットから可愛らしさも感じられるジャケットです。
ベーシックなフロントシングルデザインで、どんな方にも取り入れていただきやすいアイテムではないでしょうか。
サヴォアトラウザーは、生地のハリによって強調される美しいシルエットが魅力。
少しボリュームがありますが、ヒップ周りの収まりも非常に良く、ワイドパンツ慣れしている方なら間違いなく気に入っていただけるアイテムです。
中でも特にオススメなのは、同素材を使用したトーテムカーゴトラウザーズ。
こちらはランウェイでも複数素材で多様 されているだけではなく、ジャンプスーツのパンツ部分にも同ディテールが採用されているキャッチーなデザインのカーゴパンツです。
ドシっとしたワイドシルエットとハリコシのあるヘリンボーン生地との相性が抜群。
間違いなく今期のOmar Afridiを代表する主役級パンツですので、Omar Afridiで固めたスタイルだけではなく、秋先はオーバーサイジングなプルオーバーニット1枚と合わせるなど、サラッと取り入れていただきたい、なんて思っているパンツです。
バイヤーのおすすめアイテム② [アノラックパーカー クリマシステム + メンブレン]
Loro Pianaの生地を使用したアノラックパーカー。
これまであまり当店で取り扱うブランドでは使用されてことなかった生地ブランドという事もあり、シンプルに新鮮という表現が正しいかと思います。
ルックスはスーツライクでラグジュアリーにも見える上品なウール素材ですが、グラフェンという炭素原子のメンブレンを裏面に貼り付ける事によって防水、透湿性能を付与したLoro Piana のClima Systemという生地を採用しています。
一見クラシックな表情を持つ素材ですが、ハイテクな機能性を備えたこのアイテムは、今期のテーマであるPRIMITIVE TECHをアイテム単体で表したアイテムとも言えるかもしれません。
バイヤーのおすすめアイテム③ [ラジャスタンパーカー ウールフリース ]
今期のアイテムの中でも特に異質なアイテムとも言えるインド北西部に位置するラジャスタン州に住む男性の民族衣装をモチーフとしたフリースパーカー。
胸元にホールの空いた独特のデザインは、その民族衣装のデザインをそのままに落とし込んだディテールです。
デザイナー自身が森の中で開催されたテクノのフェスに足を運んだ際、大抵の人がテクニカルな洋服や、動きやすいスポーツウェアを着てきている中、
オーガニックコットンのドレープシャツを着て、頭にはターバン、足元はサンダルというスタイルの女性が一人踊っている所見た時に感じた
都会的なファブリックをメインとした今期のコレクションの中でも、ディテールに強く民族的要素を含んだアイテムであり、都会的なファブリックの中みんなが抱いている多数派なイメージの中に、1つ違うものが混ざっている違和感から着想を得たというストーリーの要素を色濃く含んだアイテムとも言えます。
画像では、おすすめアイテム②でご紹介したアノラックパーカー クリマシステム + メンブレンの上から着用しており、パーカーという名前ではありませんが、フードはデザインされていないアイテムです。
ウール100%の上質なフリース素材ですので、非常に保温性が高く、さらにウール本来の抗菌性能も持ち合わせています。
機能的でアウトドアシーンのイメージが強いフリース素材を民族衣装のディテールで表現したギャップが楽しめる一着。
裾のドローコードや、ウエスト部分のマチ付きファスナーによってサイズやシルエット調整が可能なため、スタイリング写真のようにアノラックパーカーをインナーに取り入れたり、スウェットフーディと合わせてコーディネートしていただけます。
まとめ
いかがでしょうか。
私はZIGGY CHENや、JAN-JAN VAN ESSCHEなど一つのアイテムの中に二面性、多面性をもつデザインを得意とするブランドに惹かれがちなのですが、Omar AfridiもまたPrimitive Mode(プリミティブ=原始的、モード=流行)という相反する物どうしの融合をテーマとしたブランドです。
近年既視感を感じるブランドばかりが持て囃されているように感じますが、Omar Afridiは唯一無二なニュースタンダードを追い求めるファッションフリークの方々に是非チェックしていただきたいブランドです。
デリバリーに関しましては、コートを除いて今月中頃と間も無くの予定となっております!
Omar Afridiブランドページでは既に予約も受け付けておりますので、是非ご覧ください!
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