本日は、FASCINATE(大阪 心斎橋)で取り扱っているDEVOA(デヴォア)のウールスーパー 120’sと孟宗竹のダブルフェイスの生地を使ったアイテムをスタイリングとともにご紹介。
この生地ではロングコート、ショートコート、ノーカラージャケットの3つが展開されていて、生地と商品制作の両面で非常に手間と時間をかけた今期を代表するアイテムの一つです。
軽さと保温性、スタイリングがしやすく飽きのこないシンプルなデザインでsunode、冬のアウターを決めかねている方にはおすすめしたいアイテムです。
イメージの異なる3つのデザイン
3つのデザインに共通して言えるのは、表に見えるディテールを極力省いた非常にシンプルなデザインであること、生地の面を大きく見せながら、少ないシームで立体を作るカッティングを採用していることです。
ベーシックなデザインで癖がなく、生地の上品で柔らかい表情が活かした、長く愛用できる仕立てになっています。
それぞれアイテムのイメージは異なるので、上品に、カジュアルに、クラシックにと、好みに合わせて選べたり、ジャケットに関してはオーバーコートのインナーにも使えるなど冬のアウターとして長く重宝していただけます。
ロングコート
首の後ろが少し高く設定されたノーカラーデザインは、流線型の首元のラインが特徴的。
身幅は少しゆとりのあるレギュラーシルエットで、袖は身幅に対して少し細身に製作されており、このバランスが全体のシルエットをすっきりと見せる効果を生んでいます。
袖が細いとはいえ、インナーにニットなどを着込んでも着膨れすることはなく、立体の作り方が綺麗に仕上げられているため、縦長のシルエットが美しく、また、肌に触れる部分が少なく、動きやすさと見た目の美しさが同時に実現されています。
アウターらしいしっかりとした生地感なので、レザーベストのような重みのある素材と合わせても問題なし。
首元の開き具合が絶妙な設定なのでハイネックのインナーを持ってきても収まり良く着用できます。
モデル 181cm/59kg. 着用サイズ:コート/サイズ2,ベスト/サイズ2,Tシャツ/サイズ2,パンツ/サイズ2
すらっとした綺麗なシルエットなので、こういう組み合わせもあり。
シャツと合わせると上品さが際立つスタイリングになりますね。
モデル 181cm/62kg. 着用サイズ:コート/サイズ2,シャツ/サイズ3,パンツ/サイズ2,シューズ/サイズ42.
ノーカラーなので大判のストールを合わせてももたつきもなし。
首元にボリュームを持ってくると視線が上に来るので、縦長のシルエットを強調できます。
モデル 180cm/59kg. 着用サイズ:コート/サイズ2,ニット/サイズ2,パンツ/サイズ2,シューズ/サイズ42.
ショートコート
大きめの襟とダブル風に重なった一つボタンのクラシックなデザインに、立体的な袖のパターンを設計したショート丈のコート。
Pコートを綺麗に作ったというイメージでしょうか。
シルエットは身幅も袖もルーズでざっくりとしたシルエットで製作しています。
他のアイテムよりも首元の横幅が少し広いので、厚手のハイネックアイテムを合わせても収まりが良く、逆三角形の様なパターンなので開けてきた時の広がりも秀逸。
上品な素材に対してどこかタフな雰囲気も併せ持ったアイテムです。
ワイドパンツと合わせるとAラインに。
チャコールはこのインナーのようなアースカラーとも相性が良いのですが、ブラックよりも単調にならず、適度な色の広がりが作れます。
モデル 184cm/71kg. 着用サイズ:コート/サイズ4,ニット/サイズ3,パンツ/サイズ4,シューズ/サイズ44.
次はレザーベストとアクティブなパンツを合わせたスタイル。
ミリタリーのニュアンスを含んだデザインなので、こういったスタイルにもマッチします。
モデル 180cm/59kg. 着用サイズ:コート/サイズ2,ニット/サイズ2,パンツ/サイズ2,シューズ/サイズ42.
バランスのとりやすいショート丈で、ドロップショルダーのルーズなシルエットなので抜け感のあるパンツとも好相性。
モデル 180cm/59kg. 着用サイズ:コート/サイズ2,ニット/サイズS,パンツ/サイズ2,シューズ/サイズ42.
ジャケット
ジャケットは首元のディテールをクルーネック、肩はドロップショルダーにしたデザイン。
シルエットはコートと近い形ですが、少しゆとりを持たせた設計で、ワークジャケットのニュアンスを含んだクラシックなテイストで、前を開けてブルゾン感覚でも着用できます。
また、こちらはインナーとしてオーバーコートにも合わせていただけます。
着丈がコンパクトなので、ワイドパンツと合わせてAラインでも、細身のパンツと合わせてすっきりとしたスタイルでもどちらでも問題なく合わせていただけます。
Model: 180cm / 64kg:着用サイズ:ジャケット/サイズ2、Tシャツ/サイズ2、パンツ/サイズ2
モデル: 180cm / 52kg:着用サイズ:コート/サイズ3、ジャケット/サイズ3、Tシャツ/サイズ2、パンツ/サイズ3
こだわり抜いたダブルフェイス
表面はウールSuper120’s、内側を孟宗竹100%で製作したダブルフェイスの生地で、表側のウールで保温性を、内側の孟宗竹100%の生地。
ある程度厚みのある生地同士を接結していますが、生地は非常に柔らかく、厚みに対しての重量は非常に軽く仕上がっています。
厚みと柔らかさは着心地にも直結する部分ですが、裏地を使っていないことを考慮しても、この柔らかさと軽さは驚きますね。
表面はよく見るとブラックやチャコール、少し茶色がかった様々な色味と白んだ糸が見えるメランジ調の表情をしていますが、これはトップ糸という、糸になる前の「綿」の状態で染めたものを使用しているから。
綿染めの特徴は糸自体に自然なムラが生まれることなのですが、それを極細の糸にしてきめ細かいメルトン生地を製作しています。
表面はあえて少し毛足を残し、ふっくらとした表情に。肌ざわりも非常に滑らかに仕上がっています。
裏面は孟宗竹を糸にした素材。
竹と言われても全くわからない見た目で、感触も表のウールと遜色ないくらい柔らかく滑るような肌触りです。
単純に肌触りだけでもかなり上質な素材ですが、最大の特徴はその機能性にあります。
竹は古来から竹馬や竹とんぼという工芸品であったり、昔の人が竹の皮におにぎりを包んだり、いろいろなものに使われてきた馴染みのある天然素材で、抗菌性、通気性に優れ、摩擦が起きても磁気を帯びず、静電気の放電がほとんどない、いわば「電気を溜めにくい」という特徴があります。
この「電気を溜めにくい」という特性は、金箔をつかみ漆に張る作業や、近年では半導体工場でIC(集積回路)の基板を作るために竹のピンセットが使われていたりと、その特性がさまざまな分野で注目されている素材でもあります。
竹は一般的な素材と比較しても圧倒的に静電気が起こりにくい素材で、今回使っている孟宗竹の素材は、ウールやポリエステルと同じ時間、同じ強度で摩擦試験をしたところ、ウールやポリエステルは約3500ボルトの静電気が発生したのに対し、竹は約80ボルトしか起こらなかったという結果も得られています。
バチっとくる静電気は約3000ボルトと言われていますから、実際に感じるのは不可能な数字ですよね。
実は今回使っている素材は糸から特許を取得し、医療認可もとっており、医療に使われるレベルの安全性と機能を備えた素材を使っています。
また、摩擦による静電気が起きにくいだけでなく、遠赤外線効果があることもわかっており、保温性も抜群。
生地が2重になっているので、冬のアウターとしての厚みは十分あり、生地の間に暖かい空気が止まるので実際に着用していると、比較的すぐに暖かくなりますし、同時に軽さも体感していただけます。
リバー縫製で仕上げたフルハンドメイド
縫製は全て手縫いによるリバー縫製で仕上げたフルハンドメイド。
リバー縫製とはダブルフェイスの布をつなぐ糸を縫い代の幅だけ一旦ほどき、ほどいた生地の端を内側に織り込みんで全て手まつりで縫い繋げて仕立てる技法のことで「リバー仕立て」ともいいます。
これは主にウィメンズのアイテムに使われることが多い手法で、オートクチュールや高級メゾンのコートやジャケットでたまに見かける縫製方法で、メンズで用いるのは珍しいテクニックです。
「リバー仕立て」は専用の機械で均一な幅で縫い代を割いて作業と、手まつりで形にしていく作業があるのですが、どちらも高度な技術と経験が必要な手法で、これができるのも日本に残りわずかとなったそうです。
ただ、そうして出来上がったアイテムは厚みと保温性があるにも関わらず軽量で、ミシンで縫製するよりも柔らかく仕上がり、着くずれしにくい、立ったり座ったり、腕を動かしたりなどの動作がしやすいといったメリットもあります。
肩周りの柔らかいラインの出方や生地の動きの美しさ、袖通りの良さなど、着る瞬間から着ている時まで、いろんな時にそれを感じることができます。
ファッションにおいて、縫い目一つにも一切妥協せず、素材選びから製造の過程に至るまで、細部にわたる徹底的な探究心は、アイテムの質を決定づける重要な要素。
その点において、DEVOAが手掛ける各アイテムには、素材にも縫製にも徹底的なこだわりが見られ、その一つ一つに対する探究心が随所に伺えます。
デザイナーの西田氏自身は、これらを「普通のこと」と謙虚に語りますが、実際にはこのような姿勢を持ち続けていること自体がすごいことです。
各アイテムはファッションとしての魅力はもちろん、上品で快適な着心地も兼ね備え、背景にあるストーリーなど多様な付加価値を提供しています。
今回ご紹介したアイテムも、後悔することなく長く深い愛着を持って使い続けられるアイテムを求める方々に、ぜひとも手に取っていただきたいと思います。
手にした瞬間から、普遍的な美しさを身をもって感じていただけるはずです。
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