[スタッフコラム]JAN JAN VAN ESSCHE 21-22AW Collection SUNU

[スタッフコラム]JAN JAN VAN ESSCHE 21-22AW Collection SUNU

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こんばんは。

今月はドメスティック、インポートともに多くのブランドの21-22AWコレクションが立ち上がり、シーズンの切り替え時期であった先月よりも店頭もかなり見応えのある状態となってまいりました!

先日は私個人的に一押しブランドであるZIGGY CHENの21-22AW コレクションについて書かせていただいたのですが、今回はもう一つの一押しブランド{{widget type="Magento\\Catalog\\Block\\Category\\Widget\\Link" anchor_text="JAN-JAN VAN ESSCHE - ヤンヤンヴァンエシュ" title="JAN-JAN VAN ESSCHE - ヤンヤンヴァンエシュ" template="category/widget/link/link_inline.phtml" id_path="category/513"}} について、少しだけデザイナーへ質問を投げかけながら21-22AW コレクションについて書かせていただきます!



JAN-JAN VAN ESSCHE 21-22AW コレクションを解剖!

JAN-JAN VAN ESSCHE - ヤンヤンヴァンエシュ 見出し1 - 1-001




21SSコレクションに引き続き、他のインポートブランドも同様ですが、2回目のリモートバイイングとなったJAN-JAN VAN ESSCHE。

ZIGGY CHEN 同様に毎シーズンどんなコレクションを展開するのか読めない分、今期は一体どんなアイテムが展開されるんだろうとワクワクさせてくれるブランドです。

まずは、21-22AWコレクションのシーズンテーマからご紹介!




2021-22AW コレクションテーマ [SUNU]

セネガル、ガンビア、モーリタニアにかけて住むウォロフ族の言語、ウォロフ語で 「私たちの」 を意味する”SUNU”がテーマ。

この言葉は、「統一性」「脆弱性」「包括的」な感情の繋がりを要約している。

お互いに対する責任感と私たちを取り巻くもの、”強固な絆” ”強い絆”大切にされ、賞賛される必要があるが、同時に守られる必要があるという考えの基、デザイナーが共鳴を求め、アライアンスを形成する事で普遍的な理解を求めたコレクション。








ファッションの枠組みを超越したムービーでのコレクション発表

今期は急遽ヴァーチャルショールームでの発表となった21SSコレクションとは異なり、一人の男性にフォーカスされたショートムービーで発表。

ムービーは一人の男性がある一室で電話をかける場面から始まる。

JAN-JAN VAN ESSCHE - ヤンヤンヴァンエシュ 見出し1 - 1-001

その後登場する様々な人種、性別多種多様な複数の人物とダンス。

冒頭以外に言葉や説明は無く、受け手次第で自由に解釈できるムービーは、受取手に解釈の余地を残されているように思い、JAN-JANがウェアを作る上でも掲げている受け手の解釈の自由と通ずるものを感じました。

フルバージョンは、JAN-JAN VAN ESSCHE のブランドホームページにてご覧いただけますので、気になった方は是非チェックして見てください!

映像は終始ウェアがメインというよりは人物にフォーカスされており、実際に着用アイテムの詳細を取り入れているのは一部のウェアのみ。

あくまでもそれぞれの人物のアイデンティティの一部として取り入れられたウェア達は、個性的なのにとても自然に見えて演者達が日頃から着用している洋服かのようでした。

今回のムービーは本当に一つの短編映画のように高いクオリティで、何気なく一体誰が作ったものなのかが気になり、終盤のクレジットを見てみると"Ramy Fouad Moharam"という人物が製作した物だということがわかりました。

彼についても少しだけ掘り下げて調べてみると、驚くことにちょうどFASCINATEで取り扱いを開始した20-21AWコレクションからLOOKモデルを務めていた方だという事がわかりました!

ちなみに遡ってみると21SS コレクションや次の22SSコレクションのムービーも全て彼が製作しているようです。

彼は今期のLOOKでもモデルを務めています。

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ムービーの考察は本当に人それぞれ解釈が違い、お客様の中には今のコロナの状況などを表しているという解釈をしている方も居たり。

実際にJAN-JANにこのムービーについて質問を投げてみると、「ストーリーや登場人物についてはあまり明確にせず、視聴者が自分の頭の中でストーリーを作れるような物にしたかった。冒頭の電話のシーンで主人公を演じるモハメドの母国語チュニジアアラブ語を使用したのはその為だ」と語っていました。

ムービー全体としては現実的だけどどこか神秘的、途中に登場する多種多様な人種、性別の人達は主人公の内にある感情を表した物で、まさに今回のテーマである「統一性」「脆弱性」「包括的」、つまり"SUNU"を表した物だと僕は解釈しています。

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単にファッションとして洋服を楽しむだけではなく、このムービーを見てそれぞれの解釈の違いや気付いた点を共有し合うのもまた一つの楽しみとなっているかもしれませんね!

それとは違ったこんな解釈もできたよ。 という方は是非意見を聞かせてください!

ちなみに今回ムービーに出演しているダンサー達も以前よりJAN-JANとダンスプロジェクトを行っていたりと、元々繋がりがあった方達だそうです。

人との繋がりが遠くなりつつある時代であるからこそ、人と人との繋がりを重んじた作品を作る。という点でもJAN-JAN VAN ESSCHEという人物の温かみのある人間性を感じ取れる作品だと思います。





3レイヤースタイルで作るJAN-JAN独自のバランスが魅力の21-22AWコレクション

さて、前置きが長くなってしまいましたが、今回もいよいよ洋服についても触れていこうと思います。

前回のコラムブログで書かせていただいたZIGGY CHENとは異なり、JAN-JAN VAN ESSCHEは入荷後に記事を書く形となりましたが

21-22AWコレクションを最初に見た時点での率直な意見としては、今期展開されたウェアはこれまでよりもワンステップ着こなしのレベルが高いものになったなと感じました。

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理由としては今期のJAN-JANのスタイルを完成させるには基本的にトップス、中間アウター、アウターの3レイヤーで構成されているものが多く、これまでよりもさら素材感や色味、シルエットなど気を配るべきポイントが増えたからというのはもちろんなのですが、

現状当店の仕入れのバジェット面や、お客様に全てセットでお買い上げいただくとなった時の予算面も考慮して見た時です。

もちろん私のような「難しい服ほど着こなして見せたい!」と常にファッションに対してハングリーな方であれば、このアイテムをどう着ようか?と考えるだけで楽しいコレクションではあったと思うのですが、全てのお客様がライフスタイルの中でファッションが一番ではないことは理解しています。

なので今期はバイイング時、今期のJAN-JANの世界観を維持しつつ、いかに少ないピースでスタイルが構築できるかという点を意識しながら時間をかけてバイイングしました。

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アイテムとしては、今期私個人的に豊作だと感じられたショートアウターやニットアイテムがメイン。

個人的な今期の一押しアイテムとしては、ヤクウールを無染色で使用したショートトレンチや、泥染めシルクを使用したパディングジャケットです。

着用写真のスタイリングとしては、今期のJAN-JANらしいレイヤードスタイルで組み合わせていますが、普通にTシャツやニット1枚の上からシンプルに着用しても様になるアイテムです。

もちろんJAN-JANが提案したかった中間インナーを上手く使ったレイヤードスタイルも楽しめるようにパディングベストやチュニックなどもピックしているのですが、あくまでも単品使いがしやすい事を前提としたアイテムがメインの構成です。





西洋衣装の要素を色濃く取り入れ、さらに洗練されたパターンワーク

実際に商品が届いての感想としては、JAN-JANのウェアは毎度の事ではあるのですが、袖を通して見てわかるシルエットや生地の動きの美しさ、素材が持つパワーをより感じられました!

JAN-JANではクラシックとも言える着物シルエットは健在なのですが、その中でも西洋衣装の要素を強く加えたという今期のウェアは、

できる限り生地を切り貼りせずワンピースパターンで仕上げたテクニカルなパターンワークはそのままに、ダーツやタックを取る事で、洋服らしいディテールへと近づけたアイテムが多く展開されていました。

パンツは3本タックを取りヒップにダーツを入れる事で、これまでよりもややウエストサイズを小さく作りながらも、ボリュームのあるワイドパンツとして製作。

こうする事でヒップにドレープを作らずこれまでよりもヒップ周りがスッキリとしたシンプルなトラウザー風に。

シャツは背中心にセータタックを取る事で、後ろ身頃の生地のボリュームを抑えています。

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今期デザイナー、バイヤー共にお気に入りのアイテムは中国の無形文化遺産"香雲紗"を使用。

今期のアイテムの中でも個人的に特に興味を惹かれて個人オーダーしてしまったのは、JACKET #44 PADDED MUD SILK

こちらは、偶然にもJAN-JAN本人も今期1番のお気に入りアイテムだと言っていました。

天然素材を使用する事に拘りを持つJAN-JANのコレクションルックに、一見ナイロンのようにも見える光沢を放つジャケットが使用されていた為、LOOKを見た途端にいつもとは違う違和感を感じ、すぐにラインシートを確認すると素材はシルク。

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生地の原産地も中国と表記されており、これまで日本やイタリアの生地をメインに使用してきていたブランドだけに興味をそそられて調べみた所、この生地は中国で非常に長い歴史を持つ、「香雲紗」と呼ばれる泥染のシルクだと言う事がわかった。

読み方は「コウウンシャ」。名前の由来は、この生地で作った服を着て動くと「サクサク」「シャンシャン」という音が鳴る事から响雲纱「シャンユンシャ」と呼ばれていたが、発音上'响"が同音である"香"に変わったという説が濃厚であるそうです。

普段から日本の工芸品やアンティークなどを収集しているJAN-JAN自身も「人から聞くまではこの生地の存在や文化は知らなかった」 と言います。

もちろん僕も今回のJAN-JANのコレクションを見るまでこの生地の存在すら知りませんでした。

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さらに掘り下げて調べてみると一口に泥染とは言っても、世界各地でそれぞれ泥染めのプロセスや用いられる原料も異なるよう。

日本では車輪梅を使用した枝奄美大島の泥染めが有名ですが、中国の泥染は薯莨いう芋が使用されています。

その芋を煮て潰し、汁を取って発酵させた物にシルクの生地を漬けて天日干し、また汁に漬けて天日干しを繰り返し茶色に発色させた後、表面に鉄分を多く含む現地の泥を塗る事で、芋のタンニンと鉄分が科学反応を起こして黒く染まる。

下染めする原料の性質や泥の鉄分量の問題なのか、奄美大島の泥染めでは、ここまで漆黒に近い色味にはならないそうなので、この黒さがまた中国の泥染めの特徴のようです。

このジャケットでは、生地の裏を見る事はできないですが、表の黒に対して裏側がブラウンに発色しているのはこのような染めのプロセスだからだそうです。

今期の資料としてJAN-JANから頂いた生地サンプルであれば裏面を見ることもできるので、実物を見てみたいという方は是非店頭でお声がけください!

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「香雲紗」は、伝統工芸品やチャイナドレスなどにも使用されており、今では無形文化遺産に登録され、手間のかかる手作業での生産となるため、高級生地となったそうですが、1950年代頃までは庶民の衣服の生地として浸透していたものだそうです。

経年変化を楽しめる生地なので、ある意味中国版のデニムと言ったイメージでしょうか。

この生地の特徴は、着込む事によって黒の下から浮き出るブラウンの色味であり経年変化を楽しめる生地なので、中国の昔のお金持ちは新品を使用人に着せるなどし、このブラウンが浮き出て柔らかくなった「香雲紗」を着るなどして楽しんでいたようです。

プロセスは異なりますが、楽しみ方としてはまるで私たちにも馴染み深いヴィンテージ加工デニムのようですね。

今回も生産風景などの画像をご用意したかったのですが、写真の使用料が驚くほど高額であったため断念しました...

代わりにイメージしやすい画像が掲載された中国語の記事をへのリンクをご用意したかったのですが、リンクを貼ることもできなかったため、気になる方は是非"香雲紗"で調べて見てください!



「この生地を気に入った理由は、使い方次第では現代の工業的ファブリックのように見せる事もできるからだ」と言うJAN-JANは、中綿と詰め、ステッチを叩いたパディングジャケットとしてデザインする事で表現したようです。

LOOKを見てナイロンのようだと感じた僕は、まさにJAN-JANが表現したかった質感を感じさせられていたようです。



今期は西洋衣装の要素をこれまでよりも意識し、実用性を高めたコレクションと言うシーズンコンセプトであったため

ミリタリーアウターのライニングがデザインソースだと思っていたが、意外にも「デザインの過程で直感的にそのようなルックスになった物であり、実際にはさまざまな時代、民族衣装からヒントを得ている」と語っている。

昨年は半纏を思わせる和の要素をグッと強く感じるディテールであったのですが、今期はかなりデイリーユースしやすいデザインに落とし込まれているのではないかと思います。

とてもマニアックな生地を使用しているアイテムですが、意外にも店頭で女性人気も高いアイテムですので、カップル兼用で着用なんていうのも良いですね。



僕は今回このジャケットをオーダーしたので、まだまだ気が早いですがこのジャケットが経年変化によってどんな表情になっていくのか、これからとても楽しみです。

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工業的で無機質にも見える生地の表情が徐々に有機的な表情に移り変わっていく、そんな隠された二面性が僕の心を射止めたのかもしれません。

既に完売、サイズ欠けの状態となっている物もございますが、他のアイテムも抜群に良い物が揃っていますので、是非合わせてチェックしてみてくださいね!


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