
本日は普段のスタイリングブログや商品紹介から少し気分を変え、洋服の縫製方法「リバーシブル縫製」についてを
実際に今シーズンリバーシブル縫製を用いて制作されたDEVOA -デヴォアの「Jacket U-brid Wool」,「Coat U-brid Wool」の写真を使用して書かせていただきます。
洋服を購入する上で価値を感じる部分というのは人それぞれですが、個人の見解としては大きく二つに分けて
ファッション好き(トレンド性やカルチャー的要素、自分がその洋服を着た時、他人にどんな人に見られるかを大事に思う方)
服好き(造り込みや素材、着心地など目に見えない部分での価値も含めて一つの物として洋服が好きな方)
などがいらっしゃるかと思います、私はどちらかと言うと前者。
もちろん日常生活に耐えられる物としてのクオリティや着心地は求めますが、同じくどちらかと言うと前者が当てはまると言う方は
縫製の良し悪しなんて専門的でわからないしあまり気にしたことがない、と言う方もいらっしゃるかと思います。
今回のブログは、上記で上げた2択であれば後者に当てはまると言う方が特に興味のある内容かと思いますが、私と同じくどちらかと言うと前者に当てはまると言う方にも
少し興味を持っていただけるキッカケになればと思っております。



まずはリバーシブル縫製とは一体どういったものなのか、「リバーシブル」と言う単語だけを聞けば
おそらく多くの人の頭に浮かぶのは、表裏どちらでも着用可能な一石二鳥な洋服、と言うイメージかと思いますが、
今回書かせていただきますリバーシブル縫製はそれとは少し異なり、熟練の技術者しかできない縫製工程のほとんどを手まつりによって仕上げる高度な縫製技術です。




リバーシブル縫製には、二重織物を使用し、表地一枚のみで仕立てられます。
二重織物とは二枚の織物を重ねたように、経糸と緯糸を表面に出るものと裏面に出る物のそれぞれ異なる2種類の糸を用いて織り上げられた物、
まずはその二重織りの生地をパターンに合わせて裁断後、専用の機械を用いて縫い代分の接結糸部分をカットし、裂くように二枚に剥がします。
その後、縫い合わせるパーツどうしを重ね二枚に剥がした生地のうち1枚だけを残し、残りの3枚をミシンで縫い上げ、残った1枚をステッチを隠すように手まつりにて縫い上げます。
その工程を経て、写真の袖や身頃部分ように表裏共に縫い糸が見えず、均等な幅で縫い代部分が浮き出たような仕上がりとなります。
このような職人による高度な技術を要する縫製方法を用いることでDEVOAのジャケットは、
パターンによる動きやすさ以外にも重量の気になる秋冬のアウターを軽量化することに成功し、着心地を向上させています。
安価な物には安価な理由があるように、高価なものにも理由がある。
職人の熟練された物作りが反映されたアイテムですね。
どんな着心地が少し気になった!という方は是非一度店頭でお試しください。